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お知らせ ■製作現場を見に行こう 「大道具編」〜舞台の裏方の仕事を裏から見て学ぶ〜 日 時:6月11日(月)13時集合 集合場所:埼玉新都市交通「吉野原駅」改札口(大宮駅乗り換え) 見学工場:金井大道具株式会社 シーンテックさいたま美術センター 参加申込先:teec.honbu@gmail.com または FAX.042-361-8982 参加定員:20名(定員になり次第〆切り) 申込〆切り:6月5日 ■劇場技術者寺子屋「舞台監督の仕事を学ぶ(演劇編)」実施報告 日 時:2012年4月16日(月) 講 師:大木 玉樹 講 師:藤崎 遊 定員を超える受講者で、成功裏に終了しました。
△講師の大木玉樹さん(左)と藤崎遊さん
寺子屋の後、17時から交流会を開催され、20時40分まで有意義な一時を過ごしました。
△交流会の模様
●刺激的だった講演「舞台監督の仕事を学ぶ」 今回の講演は、舞台関係の仕事やそれに興味のある方にはたまらないほど刺激のある講演でした。 大木氏のお話で興味深かったことは、サッカーの試合などでも、舞台監督的なスタッフが必要だということです。単にスポーツ競技だけを行うなら、審判がいれば試合は成り立つのですが、開始前のセレモニーや放送があればそれに付随する舞台監督的な仕事があります。 また、スポンサーつまりお金を出す人がいる場合、それに付随していろいろなイベントが行われ、スポンサーへの配慮によりさまざまな作業が生まれるそうです。たとえば、スポンサー以外の広告は全てマスキングされるそうです。 また、実際に、サッカーイベントにおける運営スタッフの組織体系と動きを説明していただきました。具体的には、2002年日韓合同のワールドカップの際の組織図に基づき、FIFA(国際サッカー連盟)と日本サッカー協会・各地域サッカー協会の関係を説明。 FIFAのGC(ジェネラル・コーディネータ)→AGC(アシスタント・ジェネラル・コーディネータ)という順位で指揮命令が伝達され→ステージマネージャー(いわゆる進行チーフ、舞台監督に当たるもの)→MC・進行担当及び映像担当に指示が伝達されます。 実際に、2011年に日本で開催されたクラブワールドカップ、サントス対バルセロナの映像を見ながら各部署の動きを説明していただいたので、非常によく理解できました。 第二部は、藤崎氏からフリーの舞台監督の仕事についてつぶさに説明していただきました。 そこで、横のつながりの少ないこの業界で、藤崎氏は舞台監督同士で集まりワークショップ的にスケジュールの組み方、賃金なども含め「舞台監督の仕事」に関して情報交換をしているそうです。 たとえば、本番を1とした場合、稽古0.5、仕込みとばらしは各1.5という賃金の算出に関する考え方もあるそうで、なるほどと思いました。 そのほか、藤崎氏がどのように舞台監督になったのかという経緯や実際にひとつの演劇作品が上演されるまでの過程を、実体験を基に非常に精確に説明され、且つ、氏ならではの切り口で舞台監督の仕事や作品製作の進め方に関しての問題点を指摘され、また、それらはどうあるべきかのお話を聴きました。 また、最後の質疑応答では、地震時には、どのような状態で、どの時点で公演を中止するかなどの悩ましい問題についてお話がありました。 舞台監督の仕事の「奥」を知ることができ、今後の劇場での仕事にも役立つと感じました。 (報告/平野克明・群馬音楽センター) ■第一種/第3種劇場技術者検定講座の富山県実施の報告 2011年3月3日(土)〜3月4日(日)、富山県・新川文化ホール(ミラージュホール)で、富山県公立文化施設協議会と共同開催しました。 今回は地域のボランティアスタッフ養成を主に開催しました。第三種が13名、第一種が11名の受講でした。
◆第一種受講者の感想 ◎舞台にかかわる人の心構えや安全や労働等について、また、イベントを開催するに当っての注意事項など、丁寧な講義を聞くことができて良かったです。最初の講義の「なぜ、人は芸能を楽しむのか」について、人が生きていくすべての事にあてはまるのではないかと感動しました。 ◎基礎をあらためて見直すことができ、劇場業務への想いが、更につのる日になりました。 ◎総合的に舞台の流れや組み合わせを知ることができました。人間の持った創造への要求が、欲望の段階の上に立っていること、またそれが人を人たらしめていることが、よくわかりました。そして、その元には命を守ることをベースに演者・客・スタッフの安全を守ることがあり、その上でクリエィティブな仕事をすることが大事だと分りました。 ◎今後の仕事のレベルアップになると想うことが多く、非常に参考になりました。また、安全管理も重要な仕事だと再認識しました。 ◎2日間の内容は盛りだくさんで、あっという間でした。これからの仕事にたいへん役立つと想いました。まず、ケガをしない、させないという気持ちを持って、真剣に取り組んでいきたいと思います。 ◎劇場技術の基礎的なことから専門的なことまで、楽しく学ばせていただきました。改めて基本の大切さを実感し、初心にかえった気がしました。この気持ちを大切に、今後の業務に、後輩の育成に力を入れたいと思います。 ◎有意義な講義でした。基本をわかっていないと、ひとに教えるときに、間違ったことを教えてしまうことがあるので、今回の講義を日々の仕事に反映したいと思います。 ◆第三種受講者の感想 ◎人間の第五の欲望についての講義が心に残りました。ひとに喜んでもらえる仕事をすることに幸せを感じ、これからもその気持ちを忘れずに活動したいと思います。 ◎一般利用者から見えない裏側でたくさんの人たちが、いろいろな業務を担って、ようやく一つのステージができあがっていることが良くわかりました。今回は、ほんの一部を学ばせていただきましたが、奥が深く、今後も重ねて学習したいと思います。公共ホールは限られたスタッフで運営されており、スタッフの多能化が必要なこと、それを補うために多数の専門的ボランティアを育てていき、ホールスタッフとボランティアとの協働でホール運営をする体制が整えばよいと思いました。 ◎法律に関することは、今まであまり聞くことができなかったので、とても良かったです。あらためて、舞台は危険なところ、事故を防ぐにはコミュニケーションがとても大切なことを理解した。サポータの活動は表方の仕事がほとんどだが、裏方の仕事を知ることは舞台の進行を知ることににるので、これからの活動に役立つと思った。 ◎感動した舞台の裏には出演者だけでなく、多数のスタッフが関わっていること。それも、高度な知識と技術を持ち、表に出ることなく。この講座は、演技する者、演奏する者はもちろん、学校教育にて数奏楽や演劇の指導に携わる者も受講すべきであると思う。 ◎今後、観客として見るときに、違った目で観ることができ楽しみです。 ■裏方の教養講座『日本の音楽と西洋の音楽』の報告 日本の伝統音楽の流れ、西洋音楽の作曲者の流れについて、実際に音楽を聞きながら、教科書には載っていないような事柄をわかりやすく解説された。
簡素なネット配信を行い、今後のセミナーへ活用するための試みを行った。
講座終了後は交流会を実施し、照明、美術、音響、舞台監督、舞台進行、メーカー、出版社など、劇場を取り巻く人々による有意義な意見交換が3時間30分にも及んだ。
日 時:2012年1月30日(月)13:30〜16:45 会 場:新宿文化センター・第1会議室 講 師:三好直樹(明治座舞台管理営業部長/元東京芸術劇場舞台技術総括責任者) 八板賢二郎(ザ・ゴールドエンジン代表/元国立劇場・国立演芸場・国立能楽堂音響担当) 主 催:日本劇場技術者連盟
●「日本の音楽と西洋の音楽」に参加して 高速バスの窓からは富士山と東京スカイツリーがよく見える天気のいい日です。気温は低いのですが暖かい日差しにウトウトするうちに東京駅に着きました。もう数回参加している「裏方教養講座」ですが、今回は人数が多かったですね。 第一部は八板賢二郎氏による「日本の音楽」です。最も古い「雅楽」から「長唄」「浄瑠璃」など日本の音楽の歴史を教えていただきました。 そして第二部は三好直樹氏の「西洋の音楽」です。 このような「講座」は、漠然と経験の中で得た知識でおこなってきた日々の業務を、理論的に整理する上でも役にたちます。また、インターネット中継という新しい試みがなされ、地方にいる者としては地元にいて受講できる可能性があり、これからの「講座」にも期待しているところです。 このあとの親睦会では、情報を交換しあったりして楽しい一時を過ごし、充実した一日になりました。 阿部 喜一(有限会社ステージライン) ■第1種劇場技術者、第3種劇場技術者検定講座 2012年2月15日〜16日、佐賀県・武雄市民文化会館小ホールで開催し、筆記試験の結果、第一種12名、第三種2名が認定されました。 日本劇場技術者連盟、宮崎県音響照明舞台事業協同組合、武雄市文化会館による共同開催、後援は九州公立文化施設協議会、一般社団法人日本音響家協会で実施しました。
▲鎌田晶博氏の講義
▲照明、吊り込みの実習
▲山台組立の実習
◆第一種受講者の感想 ◎普段、何気なく行っていた業務の一つひとつに対して、あらためて重要性を再認識しました。自分の務めている会館に不足していることなど、たくさん気付くことができました。これわ機会に、同じ職場のスタッフにも、この講座で学んだことを伝え、連盟の主催する研修会にも積極的に参加するよう促そうと思います。 ◎たいへん有意義な講座を体験でき、舞台業務の安全確保についても再認識しました。 ◎講座で学んだことを、仕事を通じて利用者の方々に活かしたいと思います。 ◎舞台・音響・照明と幅広い内容で、ものすごく勉強になりました。 ◎再認識と新しい発見がありました。 ◎舞台進行や照明など、自分の担当以外のことを学ぶことは、チームワーク力を高めるためることに繋がると思いました。 ◎日常に潜む危機が分ったので、今後の仕事に活かしていきたい。 ◎同じ職種の方々と交流ができて、とても勉強になりました。
◆第三種受講者の感想 ◎会館のプロの方とご一緒に勉強できたことが、とても嬉しかったです。 ◎今年度から多目的ホールに勤務してますが、全くの素人です。受講して舞台の設備や仕込み時の様子などが分りました。今後は舞台演出などにも目を向けて頑張ります。 ■シンポジウム「地域住民のための快適な公立ホールをめざして」報告 2011年10月27日(木)、"さいたま市民会館うらわ"にて埼玉県舞台技術協議会と共同主催のシンポジウム「地域住民のための快適な公立ホールをめざして』が開催された。 第1部の対談(11:00〜12:30)は『舞台進行の役目』と題し、松戸市民劇場の舞台進行を担当する福田義明さんをゲストに迎えて、地域住民が劇場を利用する際の気遣いなど、舞台の進行を円滑に行うための秘訣を披露していただいた。 仕込み時間が30分ほどしかない地域住民のイベントは、カラオケ大会のときは主催者に音のレベルを決めていただいているが、日本舞踊のときは主催者が出演の準備で忙しく舞台に来られないのため、自分たちで音のバランスを決めてしまうなどと、それぞれのジャンルの違いを熟知しての対応をしているという。 最後に、舞台を円滑に進行させるには?との問いに、『流れに乗ることです』と素晴らしい言葉が返ってきた。本番中、突然の変更があったり、トチリがあったりして、打ち合せやリハーサルと違っても、慌てずにその流れに乗って対応できてこそプロということだ。
第2部はシンポジウム(13:30〜16:00)で、『新時代の公共ホールの運営を考える』と題して、危機管理から利用者応対までを討論した。 バネラーは、舞台美術家の滝 善光さん、行田市教育文化センター責任者の伊藤 勝仁さん、舞台監督の早舩司さん、照明家の今野幸彦さん、亀有リリオホール 舞台担当(副支配人)の飯島正明さん、コーディネータは八板賢二郎さんで、これまでとは一味違った内容のシンポジウムとなった。 最新の機材も必要であるが、最新の人材(スタッフ)の存在こそ地域住民のために必要であるというメッセージのもと、火災や地震、事故が起きた場合の対応など、劇場のお客様となる利用者、出演者、観客、外来スタッフに対する応対などについて討論した。 シンポジウム終了後は、浦和の名物居酒屋「力(りき)」で懇親会を開催し、大いに盛り上がった。 ◎シンポジウムに参加して 西畠理(福井県・ハートピア春江) 10 月27 日、さいたま市で行われた埼玉県舞台技術協会と日本劇場技術者連盟主催の合同研修会ì地域住民のための快適な公共ホールを
最後に福田さんが言われた「(舞台進行は)当日の流れに乗る」という言葉には大変感銘を受けました。
などの話がありました。
●「新時代の公共ホールの運営を考える」の討議項目一覧 その1 危機管理 安全作業も大切ですが、地震・停電・テロなど、天災・人災を問わず不測の事態に対して事前の準備を行い、被害を最小限に食い止めるよう対処するための諸政策、つまり危機管理こそ忘れてはいけないことです。 そして、安全作業と危機管理と利用者応対は一体のものと認識すべきです。 1、事故には責任が発生 ①行政責任 業務停止などの命令。 ②民事責任 損害賠償などが発生。 ③刑事責任 刑法違反、業務上過失、施設管理責任、労働安全衛生法違反などで処罰。 ④道義的責任 信用を失墜。 2、事故発生後 機敏な対応と迅速な復帰が被害拡大防止となって、損失軽減できる。 3、日頃の自覚 ①事故はいつでも起こり得る。 ②安全作業マニュアルを読んだだけで、安全作業は不可能。 ③予測できない事故があるが、それを想定外としない。 ④基本は「気をつける」ことに尽きる。 ⑤先人(先輩)の経験談・助言・忠告は有効。 ⑥経験豊かな者も新しい技術を習得。 ⑦危険な装置は、「停止方法」を最初に習得(柔道の受け身)。 ⑧いつも新人のつもりで作業。 4、劇場における安全対策の対象 ①観客 ②出演者 ③スタッフ(自分も含む) ④建物・設備 5、劇場の緊急事態に対する心得 ①定期的に安全全体会議を開催して、全従業員に注意喚起する。 ②各部署の責任者を決定し、責任者不在時のために副責任者を決める。 ③委託のスタッフ・清掃・売店・レストランなどすべての連携が必要。 ④「備えあれば憂い無し」が、危機管理の基本。 ⑤整備点検の予算を削減すると、被害は甚大になる。 ⑥すべて、人命を優先。 6、緊急事態発生時の対処 ①出火 ②地震 ③停電 ④出水(スプリンクラー作動、雨漏、洪水など) ⑤病人やけが人 ⑥楽屋の盗難、ファンの楽屋侵入 ⑦不審物の発見 ⑧客どうしのトラブル ⑨感染症 7、安全維持の心得 ①各部署の意見の対立は、事故を招く。 ②部分的な知識だけでなく、劇場全体の構造、仕事の流れを把握。 ③小さな異常・異変でも、必ず責任者に通報して原因を究明。 ④事故発生・事故処理などの情報は、従業員全員で共有。 ⑤危険な機器は、停止方法から学び、訓練してから操作。 8、事故の責任を明確に ①事故の原因と責任を明確にして、再発防止に役立てる。 ②責任者の氏名、スタッフの氏名を楽屋事務所等に表示。 9、日常の訓練 ①観客の避難誘導訓練 ②消防訓練(放水まで実施) ③起震車により震度を体験 ④火災の煙体験 ⑤救命処置(119通報/応急手当) ・人工呼吸 ・AED(自動体外式除細動器・Automated External Defibrillator) ・搬送方法 ・止血方法
◎その2 利用者対応 ■利用者対応の基本 ・不愉快にさせない。 ・相手の心を傷つけない。 ・自分も嫌なことは、相手も嫌。 ・利用者から見た劇場スタッフは、社員も職員も委託もアルバイトも区別無し。 ・劇場は非日常の世界なので、「日常を忘れさせる場所」を意識して業務に従事。 ■利用者応対のポイント 1、私たちの客は、観客・施設利用者・出演者・外来スタッフ。 2、初めての客こそ大切に。 3、常に客を意識(私たちは見られている)。 4、仕事に完璧は無い。失敗を無駄にしない(言い訳で終わらせない)。 5、相手より偉いと思わない(子供に対しても)。 6、専門家の目線が、上から目線になる(自分も昔は素人)。 7、専門用語を使わない(客は騙されていると思う)。 8、舞台から離れたら、日常的な挨拶・態度・衣服で応対。 9、出演者には、最高の演技(演奏)ができる環境を提供(特に楽屋の環境)。 10、観客には、「非日常の世界」を満喫させる(裏を見せるな)。 11、「知識」だけでは役に立たない。「知恵」を使えば巧くいく。 12、批判眼でスキルアップ(客からのクレームに感謝)。 13、客に注意するときの技も学ぶ。 14、裏を見せない。 15、相手の言動の真意を読む。 16、相手を感動させる。 17、誰でも窓口になれる力。 18、自分も仕事を楽しむ(充実感・達成感)。 19、機械的な対応をしない。 20、オーナーシップを持つ。 21、出入り業者も大切にする。 22、客のイライラを解消。 23、わがままな利用者(クレーマー対応) ■劇場技術者談話室「映画館(ムービーシアター)の現況」報告 去る10月17日(月)に、日本劇場技術者連盟の主催で新宿文化センター第3会議室において、映画上映に関する技術セミナーが開かれた。 渡辺さんは、すでに解散を余儀なくされた全日本映画技術者連盟最後のメンバーであり、映画館のみならず、数々の名場面を上演したかつての新宿コマ劇場、開場100年を迎えた帝国劇場など商業演劇劇場音響の第一線で活躍されてきた。
今回の劇場技術者談話室のテーマは、「映画館(ムービーシアター)の現況」である。 1956年のコマ劇場オープンでは、70m/mの「オクラホマ」が上映されたこと、その後、急激に映画が隆盛し1958年には映画館が7000を超え「紅の翼」「十戒」などで入場者11億2千7百50万に迫り最高を記録したこと、その後も「ベン・ハ―」や「鉄道員」などの名作が次々とヒットしたが、テレビの普及もあり1963年の「アラビアのロレンス」のころは入場者が半分に減ってしまったこと、1993年にはシネコンが上陸したが映画館数が最低に激減、その後入場者数も1億2千万を切り凋落を辿ったことなど、映画をこよなく愛する者として懐かしく述懐しながら語ってくれた。 また、映写機の取り扱いについては、ビデオ教材による解説が細かい作業まで取り入れられて大変解り易かった。 さらには、具体的に資料や図面を配布して下さり、「スクリーンサイズの違い」や「ドルビーサラウンドシステム」などの基礎知識を解説してくれた。実際に映画フィルムも見せて下さり、「各方式のサウンドトラック位置」を説明してくれた。 サイレント時代のフィルム縦横比、トーキーからフィルムの左端をサウンドトラックとして使うようになってスタンダード・サイズが確立したこと、ビスタサイズにはヨーロピアンとアメリカンの2種類があり、異なるスクリーン、サイズ比についても説明して頂いた。シネマスコープは洋画ではお馴染の横に長いサイズ1:2.35であること、日本映画もアメリカン・ビスタの1:1.85を使用していることなどなどである。 さらに音響システム関係に触れ、1975年ミュージカル・トミーにてデモンストレーション上映されたドルビーステレオは全世界に普及し、ドルビーA,SR、デジタル、EXと進化していったことや、スピーカのレイアウトの進化までこと細かく説明して下さった。 ここまで聞くと、映画技術者のその時代変化や多種の上映方式に対応する技術への奥深さが伝わってきて目が開かれる。その高い技術力を見事に駆使するプロフェッショナルさに同じ技術に携わる者としては、尊敬と感動の念が湧いた。 完成試写会のときに、制作スタッフから誉められることもあるが、フィルム上映への厳しい意見を出される場合もあるそうだ。現場の苦労など関係ない意見も出て困ることもあるが、「可能な限りの対応で何とかカバーする努力をする」と笑っておられた。 演劇の演出家のなかにも技術者の苦労が分からず勝手にことを言う人がいる。それでも何とかしようとする技術者の意地と悲哀が垣間見えて同感させられた。 素晴らしい人を感動させてくれる映画は、クリエータだけでは存在しえない。映画館やホールで上映する現場での戦いが最後の勝負だったのである。観客からは見えない裏方である映画技術者のプライドと映画への熱い想いとによって支えられて成り立っていたのだ。 さらには、映画館の将来と今後の課題についてもいろいろ話をして下さった。今後の公共ホールでの上映についての設備更新についての大切さについても多々考えさせられ、質問や意見が次々と飛び出して熱気がいっぱいの講演であった。(報告・齋藤讓一)
●講義内容一覧 劇場技術者談話室「映画館(ムービーシアター)の現況」 ・ 映画館の歴史 ・ ビデオ教材35m/m標準映写機の取扱い ・ 基礎知識 ◎スクリーンサイズの違い ◎ドルビーサウンドシステム ・ シネコン(シネマコンプレックス)について ・ DLPシステム(Digital Lighting Processor) ・ 3Dシステム ・ 公共ホールの設備更新について (文責・羽田野晉嗣) ■裏方教養講座[日本で演じられてきた演劇たち]の報告 2011年7月29日(金)14時40分から16時45分まで、大阪・貝塚市のコスモスシアターで開催されました。講師は、本連盟副理事長の八板賢二郎。 1200年前に成立した雅楽からミュージカルまで、現存する演劇と滅亡した演劇について、1200年の経緯を2時間で解説しました。 財団法人貝塚市文化振興事業団と一般社団法人日本音響家協会西日本支部の共催。
■第1種劇場技術者検定/第3種劇場技術者検定実施報告 2011年7月28日〜29日、大阪・貝塚市のコスモスシアターで実施しました。 講師は、「舞台照明の仕事」を海道裕之氏、「舞台進行の仕事」を児島章一氏、「舞台音響の仕事」を前川幸豊氏でした。また、講座プログラム総合進行を長曽誠氏が担当しました。 なお、筆記試験の結果、全員が好成績で合格しました。 財団法人貝塚市文化振興事業団の共催。
■製作現場を見に行こう「衣裳編」 2011年6月13日に衣裳デザイナーとして幅広く活躍されている宮本宣子さんの制作現場「宮本宣子ワークショップ」を見学しました。 宮本宣子さんは、お知らせでもお伝えしたとおり蜷川幸夫や井上ひさし作品などの演劇はもとより映画テレビドラマまで多岐にわたる分野の衣裳のデザインと製作をされています。 衣裳デザインの仕事について端的に述べると以下のようになります。 台本を読む→登場人物の衣裳を時代考証し、イメージする→イメージをデザイン画にする→型紙を作る→役者の体型を模したトルソウ(立体モデル)に、布(シーチング)で、型(トワル)を作る→生地を揃える→実際の生地で型を作っていく→役者に合せ、仮縫いする→出来上がった衣裳で、ドレスリハーサルをする→本番。 以上の過程を1ヶ月ほどの間に演出家との打合せを交えながら行うそうです。思いの外、短期間で仕上げなければならない上に、演出家によっては、打合せ後に変更を要求されたり、役者の採寸が舞台稽古の10日ほど前だったりと苦労することが多多あるそうです。 また、古い質感を出すことが結構難しく、布地を洗濯する、ヤスリでこする、カナダワシでこする、綿をつける、染めるなどとさまざまな工夫をされて仕上げています。 とにかく、未公開製作中の作品を前に、宮本先生とスタッフの山下さんのお話を生で聞けたことで、衣裳デザインとはどんなものなのかが、肌で分かる実に有益な見学会でした。 今回の現場で感じたことは、舞台の現場において舞台、照明、音響が常に議論の中心にありますが、衣裳デザインは劇場技術において、実はもっと語られるべき価値を持っているのではないかということです。すなわち、舞台において最も重要な役者が身につけるものが衣裳であり、それによって、役者の演技や作品の出来映えに影響を大きく与えているからです。
見学の後は、日暮里駅からほど近い谷中銀座を散策しました。 まずは、谷中銀座の入り口にあるユニークな名前の階段坂「夕焼けだんだん」へ。ここからすぐ下に谷中銀座の商店街が広がり、その先には、マンション群が望めます。確かに、夕焼け時には非常に気持ちのいい眺めでありましょう。 谷中銀座商店街は、二間ほどの小さな通りの両端に、魚屋、肉屋、お惣菜屋やお菓子屋などのさまざまなお店が軒を連ねており、多くの買い物客でにぎわっていました。まさに、下町の商店街という雰囲気で、食べ歩きをしたくなりました。 散策後、その一角にある地鶏料理屋で交流会を行いました。鶏の串焼きはもちろん、刺身やまだ産卵される前の卵を調理したものなど、珍しい料理も味わえました。当然、味の方も抜群でした。おいしい料理とお酒を味わいながら、お世話になった宮本先生と山下さんも交え、ワークショップとは違った話で、楽しいひとときを過ごしました。(報告・平野克明)
◇感想文・宮本宣子ワークショップと谷中銀座散策 石井 幸 宮本宣子先生のアトリエ見学をさせていただき、これまで抱いていたイメージとは違っていたので驚きがありまた。そして、製作現場を実際に拝見させていただけてとても感動し、勉強になりました。 私のイメージしていた衣装製作現場はアパレル工場のようなイメージでしたが、アトリエが思ったより小さく、作業をしているスタッフも少人数でした。 アトリエで先生方が描かれた衣装デッサンを見せていただいたとき、一枚の衣装デッサンができあがるまでに、平均して50枚ものデッサンを描かれていると聞いて、とても根気がいるお仕事だなと実感しました。 また、製作された衣装を実際に拝見せていただけて、とても感動しました。 そしてアトリエ見学の後の谷中散策は、とても楽しむことができました。 日暮里には衣裳製作用の布の買出しなどでたびたび訪れていたのですが、谷中商店街の方には行ったことがなかったので、新しい日暮里を見つけたようでとても嬉しかったです。 また、谷中散策の後の飲み会(交流会)にも参加させていただき、色々な方とお話ができ、とても楽しく勉強になりました。 宮本先生、山下先生、八板先生には、人のつながりの大事さなどお話いただいてとても共感し、私も先生方のようになりたいと強く感じました。 今回の催しに参加できたことをとても嬉しくありがたいと思い、また、このような機会をくださった斎藤先生(千葉商科大学講師/連盟理事長)には感謝の気持ちでいっぱいです。 私もこれからは、もっと勉強し衣装のお仕事に携われるよう頑張りたいと思っています。ありがとうございました。(千葉商科大学) ■シンポジウムの報告 「この時だから考えよう、劇場の危機管理と省エネ設備」と題したシンポジウムを、2011年5月16日(月)、新宿文化センター和会議室で開催しました。
主に、東日本大震災で問題となっている危機管理や、震災後の芸能やイベントの自粛過剰などについて討議をしました。 また、これからは安全な劇場を設計しよう、節電等を考慮した劇場への改修をしようと、さまざまな角度から次世代劇場の在り方を話しあいました。 安全な劇場を作ろうという意見に 対しては、劇場は危険なところと観客にも認識させろという意見もでるなど、立場によっては考え方が違うものと痛感しました。 大劇場や体育館では、観客席天井に化粧板を吊っているところが多く、地震による天井板落下事故が各地であり、その報告がシンポジウムに参加した連盟会員からもありました。 このことは、翌日(5月16日)のNHKのニュースでもとりあげていました。 地震時の観客の誘導については、場外避難と場内待機とに意見が分かれましたが、これは劇場の構造(設計)で異なってきますので、劇場従事者は自分たちの劇場の状況について熟知していなければならないでしょう。つまり、劇場従事者の判断が重要になのです。 それは、劇場技術者には舞台上の安全だけでなく、観客を守る力も求められています。 そして、節電と危機管理は、劇場運営の必須項目となりました。 2時間足らずのシンポジウムでしたが、宮城県や茨城県からの参加者の生々しい報告を聞くことができ、また参加者全員が意見を述べ、各自が劇場の仕事に従事する者として重大な役目を果たさなければならないと心に刻んでいただけたことと思います。 シンポジウム終了後は交流会を催し、有意義なときを過ごしました。
◎参加者のご感想 シンポジウムに参加させていただき、ありがとうございました。 多くの問題提起、提言がされた中で、安全マニュアルについての討議が私には一番考えさせられました。 地震当日の桶川市民ホールの状況もお聞きしましたが、そこでは、マニュアルにしばられた杓子定規な対応だけでなく、経験のある劇場技術者として、時には機転を効かせた対応が求められている、ということのようです。 私一人でできることは少ないかもしれませんが、皆さんと協力しながら、これからの劇場運営、舞台運営を考えていきたいと思います。(埼玉県・奈良 暁) ■劇場技術者検定講座、桶川開催報告 2011年3月10日〜11日、桶川市民ホールにて、財団法人けやき文化財団の共催、日本音響家協会の後援で開催されました。 桶川市民ホール(埼玉県)で開催された検定講座は、途中まで順調に進んでおりましたが、最後の仕上げとなる演習の4回目のときに地震が発生したため、全員、楽屋に避難しました。 揺れが収まった段階で劇場外に集合し、受講者と連盟スタッフの員数を確認しました。 この時点で、電車は停まっていましたので、近隣の受講者だけ帰宅し、遠方の受講者は帰宅を断念して楽屋を避難所にしました。 また、商用電源が復帰したときに、舞台の照明器具が点灯して火災にならないように、主管電源を切るようにアドバイスして、その対策をしました。 18時頃、劇場側から非常電源の発電機の燃料が20時で無くなるという連絡があり、立ち退くことにし、弁当などをみんなで分けあって腹拵えをしました。
▲非常灯の下、楽屋で講師と受講者が晩餐 近くのビジネスホテルを確保しようしましたが、すでに満室。昔ながらの古い武村旅館(由緒ある旅籠で文化庁有形文化財)を当たったところ空室があり、旅館のご配慮により素泊まりで3,000円(1,000円引き)にしていただき、受講者と連盟関係者13名が宿泊しました。 翌日(12日)は、それぞれの判断で帰路につき、バスと私鉄を乗り継いだりしながら帰宅しました。
●受講者からのお便り ◎本日、第1種劇場技術者認定証を手にして、改めて身の引き締まる思いで一杯です。 1日目の八板先生の講義から始まり、講師皆様の実習すべてにおいて目から鱗!、復習あり、感動あり、すべてが納得のプログラムでした。 また、11日に起きた突然の東北地方太平洋沖地震による大惨事に、講師の皆様、桶川市民ホールスタッフ皆様、そして参加者各自の冷静な判断と危険回避対応は、とても素晴らしかったのではないでしょうか。 桶川市民ホールにいらしたお客様、及び、私たち認定講習会参加者に、一人の負傷者も見られなかったことも本当に幸いいたしました。 停電でコンビニ等も閉店、暗闇に包まれた桶川市民ホール、非常用照明のスポットライトを背に、少ない食糧をみんなで持ち寄り飢えを凌いだ楽屋、励まし合いながら過ごした数時間、とてもとても思い出深い一夜となり、生涯忘れられない貴重な思い出となりました。 翌日(12日)の13時ころに徐行運転ではありましたが、電車が復旧、埼玉県桶川市に別れを告げ帰宅の途に。電車を乗り継ぎながら18時過ぎ、無事に千葉県鴨川市に到着することができました。 私の勤務するホールは、震度4強とのことでしたが、幸いに大きな被害もなく、照明のネジ等の緩みが激しかったのと、音響照明調整室のダンパーが閉鎖する程度で事無き得ました。 この貴重な体験を無駄にすることなく、今後の舞台技術向上に益々の研鑽を重ね努力すると共に、お客様の安全管理に努めて参りたいと存じます。 最後になりましたが、講師の皆様、桶川市民ホールスタッフの皆様に心より御礼申し上げます。(千葉県/鴨川市市民会館/尾形英一)
◎大変勉強になり貴重な大変をさせて頂きましてありがとうございました。 特に、私はホテルの仕事が多く、舞台での吊りこみや舞台での演技は初体験で、とても勉強になりました。 また機会がありましたら是非参加させて頂きたいと思っておりますので、宜しくお願い致します。(神奈川県藤沢市)
◎未曾有の災害の中での迅速な対応、お疲れ様でした。 いろいろとありがとうございました。何のご挨拶も出来ず失礼致しました。 その後、詳細がわからず心配しておりましたが、報告(ホームページ)を拝見いたしましたので、皆様の無事を知ることができて安堵いたしております。 私は、桶川駅が18時頃に閉鎖したので、桶川小学校の避難場所で一夜を過ごし、翌日昼過ぎに東京へ戻り、そのまま新幹線にて帰宅することが叶いました。 思いがけず避難訓練(!)まで出来て、貴重な体験として今後の業務に活かしていこうと思います。皆様のご健康をお祈り致しております。(石川県小松市)
◎懇切丁寧な講義を受講させて頂き、誠にありがとうございました。 解散後、私は一緒に受講しておりました同地域の方と一緒に行動し、桶川駅からタクシーで大宮駅まで行き、それから徒歩で南浦和駅へ行って、近くの小学校の体育館で一泊しました。 翌日、電車が動き出してから、取手駅まで行き、兄弟の迎えの車で無事に地元に戻ることができました。 現在、私たちの会館の被害が大きいため、各部署と連絡を取り合っております。 ■劇場技術者検定講座、宮崎・長崎開催の報告 宮崎県と長崎県で実施した「舞台進行のための劇場技術者検定講座」は、受講者述べ71名を対象に実施され、無事に終了しました。 宮崎市民文化ホール(第1種・第3種とも)3月1日〜3月2日 長崎公会堂(第1種・第3種とも)3月15日〜3月16日 主催:一般社団法人日本音響家協会九州ブロック ●宮崎・長崎開催の受講者のご意見 ◎普段、何気なく行っていた作業ですが、あらためて基本を見直す良い機会になりました。 ◎実務に則した有意義な講習が受講でき、また講師の熱意に感謝します。学んだことを、自らが楽しみながら、ボランティアやライブの現場で生かします。第2種を目指して頑張ります。 ◎通常業務では行わないことを体験できて良かった。舞台の歴史的な背景や安全防災面でのもっと詳細な研修会があると良いと思います。 ◎普段は照明をせずに音響がメインなので、大変勉強になりました。明日からまた現場で活動をしますが、この2日間で学んだことを無駄にしないようにしていきます。 ◎普段、音響の業務しかついておらず、照明、舞台のことを基本から学べてとても良かったです。また、音響も知らなかったことや間違って覚えていたこともあり、とにかく2日間は今後に大きく役立つ内容で満足しています。 ◎どの分野においても、いろいろと再確認できたので良かったです。 ◎すごくためになりました。受講して良かったです。舞台の経験は浅いのですが、わかりやすかったです。 ◎10年、舞台の仕事をやっていますが、このように他の会館の方の進行などを見る機会がなかったので「人の振り見て我が振り直せ」で、自分の今後に生かしていきたいと思います。 ■裏方の教養講座(演劇編)の報告 |